雰囲気（制御）熱処理／光輝熱処理／真空熱処理
金属製品熱処理用語の”熱処理一般”に分類されている用語のうち、『雰囲気（制御）熱処理』、『光輝熱処理』、『真空熱処理』のJIS規格における定義その他について。
鉄鋼及び非鉄金属からなる機械部品、ジグ、工具、金型などの金属製品の熱処理に関する主な用語として、金属製品熱処理用語（JIS B 6905）において、”熱処理一般”に分類されている用語には、以下の、『雰囲気（制御）熱処理』、『光輝熱処理』、『真空熱処理』などの用語が定義されています。
金属製品熱処理用語（JIS B 6905）
⇒【熱処理一般】
分類： 金属製品熱処理用語 > 熱処理一般
番号： 1211
用語： 雰囲気（制御）熱処理
定義：
炉内の雰囲気を、目的によってそれぞれ調節して行う熱処理（1）。
注（1）
JIS G 0201 及び JIS H 0211 参照。
備考：
雰囲気には、不活性、酸化性、還元性、浸炭性、窒化性、浸炭窒化性などのガスがある。
対応英語（参考）：
controlled atmosphere heat treatment
分類： 金属製品熱処理用語 > 熱処理一般
番号： 1221
用語： 光輝熱処理（こうしょうねつしょり）
定義：
保護雰囲気中などで熱処理することによって、表面の高温酸化、脱炭（※1）などを防止し、表面光輝状態を保持する熱処理の総称（2）。
注（2）
JIS G 0201 参照。
備考：
光輝焼なまし（bright annealing）、
光輝焼入れ（bright quenching）、
光輝焼戻し（bright tempering）
などがある。
対応英語（参考）：
bright heat treatment
分類： 金属製品熱処理用語 > 熱処理一般
番号： 1231
用語： 真空熱処理（※2）
定義：
真空炉中で行う熱処理の総称（1）。
注（1）
JIS G 0201 及び JIS H 0211 参照。
対応英語（参考）：
low-pressure heat treatment,
vacuum heat treatment
（※1）
脱炭とは、鉄鋼製品の表面における炭素の欠乏のことで、鉄鋼製品の脱炭を意図した熱化学処理を、脱炭処理といいます。
（※2）
真空とは、通常の大気圧より低い圧力の気体で満たされた空間内の状態のことで、真空の程度を表現するために、便宜上圧力の領域によって、以下のように区別されます。
・低真空 ： 102Pa以上
・中真空 ： 102〜10-1Pa
・高真空 ： 10-1〜10-5Pa
・超高真空 ： 10-5〜10-10Pa
・極高真空 ： 10-10Pa以下
