水溶液焼入れ/グリコール焼入れ/冷却剤
金属製品熱処理用語の”熱処理一般”に分類されている用語のうち、『水溶液焼入れ』、『グリコール焼入れ』、『冷却剤』のJIS規格における定義その他について。
鉄鋼及び非鉄金属からなる機械部品、ジグ、工具、金型などの金属製品の熱処理に関する主な用語として、金属製品熱処理用語(JIS B 6905)において、”熱処理一般”に分類されている用語には、以下の、『水溶液焼入れ』、『グリコール焼入れ』、『冷却剤』などの用語が定義されています。
金属製品熱処理用語(JIS B 6905)
⇒【熱処理一般】
分類: 金属製品熱処理用語 > 熱処理一般
番号: 1434
用語: 水溶液焼入れ
定義:
水に高分子物質を添加して、冷却速度を調節した冷却剤を用いた焼入れ(7)。
注(7)
JIS B 6913 参照。
備考:
ポリマー焼入れともいう。
対応英語(参考):
polymer quenching
分類: 金属製品熱処理用語 > 熱処理一般
番号: 1435
用語: グリコール焼入れ
定義:
焼入れにおいて、最小の熱処理変形又は低い残留応力(※1)が望ましいときに、冷却剤として、ポリアルキレングリコール水溶液を冷却剤として使用する焼入れ(8)。
注(8)
JIS W 1103 参照。
対応英語(参考):
glycol quenching
分類: 金属製品熱処理用語 > 熱処理一般
番号: 1437
用語: 冷却剤
定義:
焼入れに使用される水、ポリマー水溶液、油、ガス、溶融塩(塩浴)、溶融金属などの総称。
備考:
水溶液焼入剤(ポリマー焼入剤)(polymer solution)、
焼入油(quenching oil)、
焼入ガス(quenching gas)
などがある。
対応英語(参考):
quenching media,
quenchant
(※1)
残留応力とは、外力又は熱こう配がない状態で、金属内部に残っている応力です。
熱処理のときに、材料の内外部で、冷却速度の差による熱応力又は変態応力が生じ、これらが組み合わされて、内部に応力が残留します。
また、冷間加工、溶接、鋳造などによっても残留応力は発生します。