(鉄鋼製品の)調質/(非鉄金属製品の)調質
金属製品熱処理用語の”熱処理一般”に分類されている用語のうち、『(鉄鋼製品の)調質』、『(非鉄金属製品の)調質』のJIS規格における定義その他について。
鉄鋼及び非鉄金属からなる機械部品、ジグ、工具、金型などの金属製品の熱処理に関する主な用語として、金属製品熱処理用語(JIS B 6905)において、”熱処理一般”に分類されている用語には、以下の、『(鉄鋼製品の)調質』、『(非鉄金属製品の)調質』などの用語が定義されています。
金属製品熱処理用語(JIS B 6905)
⇒【熱処理一般】
分類: 金属製品熱処理用語 > 熱処理一般
番号: 1531
用語: (鉄鋼製品の)調質
定義:
鉄鋼製品を焼入硬化後、比較的高い温度(約400℃以上)に焼戻して、トルースタイト(※1)又はソルバイト(※2)組織にする処理(2)。
注(2)
JIS G 0201 参照。
対応英語(参考):
thermal refining
分類: 金属製品熱処理用語 > 熱処理一般
番号: 1535
用語: (非鉄金属製品の)調質
定義:
アルミニウム合金、銅合金などにおいて、所定の機械的性質などを得るために行う熱処理及び冷間加工又はその組合せの処理。
対応英語(参考):
refining
(※1)
トルースタイトとは、マルテンサイトを焼戻ししたとき生じる組織で、光学顕微鏡では識別できないほどの微細なフェライトとセメンタイトからなる組織(焼戻トルースタイト)、或いは、焼入れの際に600℃以下の温度で生成した微細パーライト組織(焼入トルースタイト)のことです。
(※2)
ソルバイトとは、マルテンサイトをやや高い温度に焼戻しして粒状に析出成長したセメンタイトとフェライトの混合組織で、セメンタイト粒子が約400倍の光学顕微鏡下で認められる組織(焼戻トルースタイト)、或いは、焼入れの際に600〜650℃以下の温度で生成した微細パーライト組織(焼入ソルバイト)のことです。
なお、トルースタイト及びソルバイトとも、どちらも現在はあまり用いられない用語になっています。