浸硫窒化/酸化皮膜処理/水蒸気処理
金属製品熱処理用語の”熱化学熱処理”に分類されている用語のうち、『浸硫窒化』、『酸化皮膜処理』、『水蒸気処理』のJIS規格における定義その他について。
鉄鋼及び非鉄金属からなる機械部品、ジグ、工具、金型などの金属製品の熱処理に関する主な用語として、金属製品熱処理用語(JIS B 6905)において、”熱化学熱処理”に分類されている用語には、以下の、『浸硫窒化』、『酸化皮膜処理』、『水蒸気処理』などの用語が定義されています。
金属製品熱処理用語(JIS B 6905)
⇒【熱化学熱処理】
分類: 金属製品熱処理用語 > 熱化学熱処理
番号: 2441
用語: 浸硫窒化(しんりゅうちっか)
定義:
鉄鋼製品を適切な温度で加熱し、その表面に、窒素を主体とし、炭素、硫黄などを拡散させ、窒化層(浸硫窒化層)を形成させる処理。
対応英語(参考):
sulphonitriding
分類: 金属製品熱処理用語 > 熱化学熱処理
番号: 2511
用語: 酸化皮膜処理
定義:
酸化性雰囲気中の化学反応によって、金属製品の表面に酸化皮膜を形成させる処理。
対応英語(参考):
oxide film treatment
分類: 金属製品熱処理用語 > 熱化学熱処理
番号: 2515
用語: 水蒸気処理(※1)
定義:
水蒸気を利用して、金属製品の表面に酸化皮膜を形成させる処理(2)。
注(2)
JIS G 0201 参照。
備考:
目的は、潤滑能力などを高めることにある。
対応英語(参考):
steam treatment
(※1)
鉄鋼用語(熱処理)(JIS G 0201)においては、水蒸気処理は以下のように定義されています。
【水蒸気処理】
水蒸気中で加熱して、表面に四三酸化鉄を生じさせる処理。
備考: 潤滑能力を高めることを目的とする。
参考: ISO の定義では、過熱水蒸気中で行われるブルーイング。
なお、ブルーイングとは、鉄鋼製品を、酸化媒体中で、その研磨した表面が青色の酸化物の薄い、連続的な、密着性の高い膜で覆われるような温度で処理する操作のことです。